■時節のワンポイント■


-------頭痛について-------

頭痛でお困りの方へ

皆さん頭痛でお悩みではありませんか?日本では頭痛を抱えている方が約40%もいると言われています。 睡眠で悩んでいる方が約20%ですので、その多さには驚かされます。
頭痛の中でも最もポピュラーなのが、片頭痛と緊張型頭痛ですが、どちらも女性に多い疾患で、悩まされている女性は多くいらっしゃると思います。
しかし、日常の診療を行っていると、実際に頭痛で医院を訪れる方はそれほど多くはありません。
きっと皆さんの多くが市販の頭痛薬で乗り切られているためと思います。それでもあまり症状がよくならず悩んでいる皆さんに、頭痛についてのお話と、日常生活の中で出来る対処法をご紹介します。
特に女性の方は生理や妊娠、更年期といったライフサイクルに合わせて頭痛はやってきがちですので、より身近なものとして捕らえられる方が多いと思います。
片頭痛に関しては最近特効薬が次々と開発され、片頭痛で悩む方には朗報となっています。



1.頭痛の種類と特徴

頭痛には放っておいても命にはそれほど別状の無いタイプと、放っておいては危険なタイプとがあります。 後者にはくも膜下出血や脳卒中、髄膜炎など緊急性を有するものや脳腫瘍、あるいは緑内障、副鼻腔炎などといった脳以外の病気が原因のものまであります。
一方、命に別状ないものの、実際の日常生活にかなり支障をきたし、頭を悩ませている方が多いのが機能性頭痛とも呼ばれる
 @ 緊張型頭痛
 A 片頭痛
 B 群発頭痛
 C 薬剤誘発性頭痛
などでしょう。今回はこちらの機能性頭痛について、その特徴と日常生活での注意、医療方法などについてアドバイスをいたします。

@ 緊張型頭痛
頭痛の中で最も多いのがこのタイプです。女性に多く、全人口の約30%がこのタイプの頭痛で悩んでいると言われています。
両側や後頭部のしめつけられるような、圧迫されそうな持続した痛みが特徴です。
肩こりや軽いめまい感を伴うことも多く、ストレスや過労で症状が増強します。
次の片頭痛とは異なり、吐き気や嘔吐、音や光への過敏さなどの通常伴いません。
慢性緊張型頭痛といって年中頭が重く、すっきりしないといった場合は、メンタル的な原因でおきてくることが多く、そちらを解決しないと鎮痛剤が効かないケースが多く認められます。

A 片頭痛
片側あるいは両側(このの場合も左右差を認めることが多い)に起こる拍動性の痛みで、数日から数週間の間隔をおいて発作的に始まる頭痛です。
頭痛は数時間から長くても三日程度で治まりますが、吐き気や嘔吐、ちょっとした音や光に過敏になるなどの症状を伴うことが多く、日常生活などを含め体を動かすことで痛みが増強するのが特徴です。
それ以外の特徴としては、比較的若い頃に発祥することが多く、中学生のころから頭痛に悩まされていたり、家族の中に同じような頭痛で悩んでいる方がいらっしゃる、といった家族歴を認める場合が多いとうのも片頭痛の特徴の一つです。
この片頭痛も@の緊張型頭痛と同様に女性に多く認められますが、妊娠中などは症状が軽くなることが知られています。
昔は偏片頭痛というと、頭痛が始まる前に、キラキラと光が見えたり、視野が暗くなって見えにくくなったり、 ひどい場合には半身の脱力や間隔障害、言語障害といった、いわゆる前兆を伴うのが特徴と広く一般に知られていましたが、実際にはこのような前兆を伴う片頭痛は全体の20%以下で、前兆を伴わない片頭痛のほうが圧倒的に多いのです。
また、片頭痛には以下のような要因が発祥を誘発することが多いことも知られています。
・人ごみなどの雑踏、ストレスからの開放、寝不足・寝すぎ、生理、匂いや騒音、空腹、運動、旅行、アルコール(特に赤ワイン)、チーズやチョコレート など
もし、ご自分の頭痛がこうしたある種の誘引によって引き起こされることがわかれば予防も可能でしょう。

B 群発頭痛
頭痛全体の中では発症率は少なく、特に男性に多いのが特徴です。
通常片側の眼の奥の激しい頭痛で、流涙や鼻水を伴うことが多いです。
同じように片側の眼の奥が激しく痛むのに緑内障がありますので注意が必要です。
群発頭痛の名称の由来は、その頭痛が、1〜2ヶ月の間、連日ほぼ一定の時間帯に起こることから来ています。

C 薬剤誘発性頭痛
3ヶ月以上にわたって、毎日のように鎮痛剤を飲み続けると、かえって頭痛を誘発して慢性の連日性の頭痛を来たすことがあります。
この場合は鎮痛剤を増やしてもかえって症状を悪くさせ、悪循環におちいるので注意が必要です。この場合は鎮痛剤の内服を止め片頭痛の予防薬を服用すると効果的な場合が多く認められます。

大切なのは頭痛の種類を正しく判断し、それにあった治療を行うことです。
薬をのんでもなかなか治らない場合はまず、医師に相談するのがよいでしょう。


2.日常生活での注意

一般に片頭痛の患者さんは頭痛の頻度も強く、ひどい場合には1日寝込んでしまうほどです。統計的には片頭痛をもっている方の約75%が日常生活になんらかの支障を来たしているとされていますが、反対に片頭痛の法が医療機関を受診する率は少なく約70%の方は一度も医療機関を受診したことがないといったデータがあります。
先にも述べたように、頭痛は正しく診断し、それにあった治療が大切で、特に片頭痛には特効薬が知られています。頭痛のタイプを正しく知るには、頭痛の場所や頻度、痛みの強さ、頭痛以外の症状、どんな時におきたか、どんな薬を飲んでその効果はどうだったかなどが頭痛を診断するのに大切な情報となりますので、このような情報をきちんと記録することが頭痛への対処の大事な一歩となります。

では次に、個々の頭痛についてその予防方法と治療について簡単に述べます。

3.頭痛の予防と治療方法

@緊張型頭痛
緊張型頭痛は先にも述べたように、方や首の凝りからくるものとメンタル的な要素が基盤となる慢性緊張型頭痛があります。
肩凝りなどからくる場合では、例えば長時間パソコンを使用するときには適度な休息をとったり、人間工学的に負担のかからない姿勢の維持も大事になってきます。
ストレスを溜めないために適度な運動や睡眠を十分にとったり、ぬるめのお風呂にゆっくりつかるなども効果的です。
通常の緊張型頭痛は一般の鎮痛薬で効果が認められますが、長期の連用には注意する必要があります。かえって頭痛を増悪させる事があるからです。
慢性の場合は、うつ状態が基盤となっていることが多いので、鎮痛剤はあまり効果はありません。にもかかわらず、治らないからと長期に渡る場合は早めに医師と相談し、基盤となる疾患の治療が必要でしょう。

A片頭痛
片頭痛は人それぞれ発症の誘因を認めることが多く、予防の第一はそれを避けることです。
例えば、早朝の空腹時に発作が起きやすい場合は、就寝前に何か少し食べることで予防できることがあります。食品では、赤ワインやチーズ、チョコレートなどは発症を誘発しやすく、反対にビタミンB2やマグネシウムが発症を予防する効果があるとされていますのでこうしたものを多く含む食品を普段から摂るように心がけましょう。
また、雑踏や騒音、食べ物や香水の匂いなどで誘発されたり、クーラーの効いた部屋から熱い外へ出た時のような寒暖の差でも発症しやすいので注意が必要です。
片頭痛の治療には大きく分けて発作が起きた時に抑える薬と、発症を予防する予防薬とがあります。特に片頭痛の方に朗報となったのは、トリプタン系薬剤の開発で、発作を抑える効果がかなり期待されます。また、発作時には胃腸系の動きがかなり悪くなっており、そのため吐き気や嘔吐を伴うことが多いのですが、そうした症状を和らげ、かつ消化管の動きを改善して薬の吸収・効果を高めるために吐き気止めを一緒に服用すると効果的な場合があります。


その群発型頭痛や薬剤誘発性頭痛については割愛させていただきます。




***頭痛の自己チェックをしてみましょう***

片頭痛

□ズキズキ痛む 4点
□痛みは片側から始まる 4点
□吐く 4点
□吐き気はしばしばある 2点
□頭痛は22歳以下ではじまった 2点
□家族にも同じような頭痛がある 2点
□痛みが2週間以上持続する -10点
合計点数が 8点以上…可能性あり 10点以上…確実

緊張性頭痛

□重圧感やバンドでしめつけられるような感じがある 4点
□痛みは後ろ頭に起こる 4点
□痛みはストレスや根つめ仕事の後で起こる 4点
□局所を暖めたりマッサージすると楽になる 2点
□休養したり眠るとよくなる 2点
□痛みの持続は1時間以内 -10点
□吐いたり目が見えなくなったりする -10点
□手足に麻痺が来たり言語障害が出現 -10点
合計点数が 8点以上…可能性あり 10点以上…確実

前兆を伴う片頭痛

□頭の片側が痛む 4点
□ギラギラして目が見えなくなる 3点
□ギラギラして30分以内で消える 3点
□痛みが2週間以上持続する -10点
合計点数が 8点以上…可能性あり 10点以上…確実

群発頭痛

□1年のうちで1、2ヶ月だけ毎日痛む 4点
□痛みで夜間目をさます 4点
□痛みは片側の目のまわりから始まる 2点
□夜間の痛みは2〜3時間以内 2点
□痛みはとても激しい 4点
□片側の目が充血し、涙が出る 4点
□女性である -4点
□痛みが24時間途切れることがない -10点
合計点数が 8点以上…可能性あり 10点以上…確実


日常生活への支障度

過去3ヶ月間に頭痛が原因となった以下の日数を合計
□仕事や学校を休んだ日数
□職場や学校での能力が普段の半分以下になった日数
□家事を行うことが出来なかった日数
□家事能力が半分以下に下がった日数
□家族・社会・余暇活動を行うことができなかった日数

アメリカの片頭痛支障度判定表(MIDAS)

合計5日以内…支障なし
以下は医師に相談を
6〜10日 軽度の支障
11〜20日 中等度の支障
21日以上 重度の支障