■時節のワンポイント■
-------睡眠障害-------
快適な睡眠とれていますか?
Q.睡眠障害の人はどれくらいいるのでしょう
世界中で約25%の人が睡眠障害と診断されているそうです。
この数を多いと感じられますか?それとも以外と少ないと感じますか?
実際皆さんの身の周りやご自身のことを考えると、以外に少ないな、と感じる方が多いのではないのでしょうか。
ある企業の健康診断における問診から、なんらかの睡眠障害を自覚している人の割合は実に60%以上にもなるのです。
働いている人の半分以上は眠れない、疲れが取れない、途中で目が覚める、熟睡できない、睡眠が足りない、と感じているのです。
産業医という仕事柄、様々な企業の方々と接する機会が多いのですが、どの企業にも共通して言えることは、年々平均睡眠時間は減少し、また、睡眠に入る時間も遅くなる傾向がある、ということです。
Q.睡眠時間はどれくらいとれていますか?
理想的な睡眠時間は6〜7時間と言われています。
これより少なくても、多くても死亡率や有病率は増えてきます。
特に5時間未満の睡眠が数ヶ月続くと、メンタル的にまいってきてうつ状態になるケースの割合も増えてきます。
もちろん、反対にうつ病の症状として睡眠障害というのは重要で、初期のうつ病の90%には睡眠障害が認められるとされています。ですから、睡眠時間が足りないのは、うつ病の原因にもなりますし、うつ病のサインである可能性もあるのです。
実際皆さんはどれくらいの睡眠時間がとれていますか?
ある企業のデータでは、1日の睡眠時間が4〜5時間と、5〜6時間の方がそれぞれほぼ同率でメインの層で、理想的と言われる6〜7時間睡眠が取れている方は20%程度にすぎませんでした。もちろん、4時間未満の方も数%いらっしゃいます。
中には「俺は1日3時間眠れれば大丈夫。」などと自慢している方も見受けますが、身体の変調に気付いていないのだと思い直してください。どこかにほころびが出ているはずです。
Q.寝だめはできるのでしょうか
答えはノーです。
冬眠する動物と違って、残念ながら人間は寝だめはできないのです。
よく「平日は3〜4時間しか睡眠がとれないのに、休日に十何時間も眠ってるから平気です。」とおっしゃる方と出会います。でもこれって単に身体が疲れきっていて、休日に起きれないんです。で月曜も朝から疲れが残っていて、どんどん疲労は蓄積されていくのです。やはり、その日の疲れはその日にとることが大切です。 仕事の時間と、自分の時間を1時間づつでも削って睡眠時間にあてる工夫はできませんか?今一度ご自分のライフスタイル、ワーキングスタイル、仕事後の付き合いの時間を見直してみてはいかがでしょう。
Q.お酒で眠っている方はいませんか?
時々眠るためにお酒を飲んだり、お酒を沢山のんで、そのまま眠ってしまう方を見受けますが、お酒で眠るのは熟睡ではなく、泥酔だ、ということを忘れないようにしてください。
アルコールは代謝を活発にします、ですから泥酔して眠っているように見えても、その間体の中では活発に代謝が行われているのです。試しにお酒を飲まずに眠ってみてください、きっと目覚めた時の疲労感が違うはずです。
睡眠障害の種類は大きく以下の4つに分類されています。
1、入眠困難‥‥
2、中途覚醒‥‥
3、早朝覚醒‥‥
4、熟眠感欠如‥
寝つきが悪い
何度も目が覚める
明け方早い時間に目が覚めてしまう
眠ってはいても寝た感じがしない、睡眠がたりない、疲れがとれない
人によってこのうちのどれか、あるいはいくつかが重なって起こることがあります。
薬で治療する場合には、それぞれのタイプによって使用する薬剤が異なってきます。
例えば、1の入眠障害には早く効果が出現し、数時間で効果が少なくなる薬を用います。
2の中途覚醒の場合は5〜6時間効果の持続する薬を使います。
睡眠障害の原因
睡眠障害はその原因によって以下のように分類されます
1、精神医学的不眠‥
2、身体医学的不眠‥
3、適応性睡眠障害‥
4、薬理学的不眠‥‥
5、特発性不眠‥‥‥
6、原発性不眠‥‥‥
うつ病や、統合失調症などのメンタル疾患が原因となっておこる睡眠障害
身体の痛みやかゆみ、下痢や頻尿、発熱、睡眠時無呼吸、など身体的な原因による睡眠障害
心理的なストレスや、環境の変化などが原因となって一過性の睡眠障害を引き起こす
使用中の薬による不眠
小児期から続く原因の明らかでない不眠
老年期に特に誘因がなく発症する不眠
睡眠がとれないとどうなるのでしょう
寝る子は育つ、と昔からよく言われます。これはまさに正しいのです。
人は睡眠中に、成長ホルモンやプロラクチン、甲状腺ホルモンなどの代謝や免疫機能を活発にするホルモンを多く分泌します。
反対に睡眠時間が短く、長時間覚醒していたり、ストレスが長期に加わると、免疫機能を活発にするホルモンの分泌が減少したり、免疫を抑制する副腎皮質ホルモンの分泌が増えたりします。また、女性ホルモンなどのバランスも崩れやすくなります。
そのため、睡眠時間の減少が続いていたり、ストレスが加わると、風邪をひきやすいとか、生理が不順になったり、アトピーが悪化したりといった症状が出てきます。
睡眠障害の治療
最後に睡眠障害の治療について簡単にコメントします。
治療には大きくわけて以下の二つがあります。
1、非薬物療法
2、薬物療法
1、非薬物療法
生活習慣や環境などを変えることにより睡眠がとれるように指導するものです。
睡眠時無呼吸や、薬物性の睡眠障害などはその原因を取り除くよう指導していきます。
例えば、ある患者さんで医療機関から大量の睡眠薬をもらっている方がいらっしゃいました、それでも夜眠れないと訴えるのです。でも実際にお宅を訪問するとその原因が明らかとなりました。その方は、夜眠りにつくことがとても怖かったのです、それは夜眠ると不審者が侵入してきたりするなどといった不安が強いため、夜眠らないようにコーヒーを何杯も何杯も飲んでいたのです。それでいくら薬を飲んでも眠れないし、眠りたくなかったのです。そして昼間眠っていたのです。その方は、夜の不安の原因を除いてあげ、コーヒーを夕方以降は飲まないように指導し、そしてより少ない睡眠薬で眠れるようになりました。
眠れないことを訴えるかたに多いのは、次の日仕事で何時には起きなきゃいけない、疲れているから明日仕事をするためにも早く寝なきゃいけない。
といった思いが次第に脅迫観念的になり、寝なきゃ寝なきゃ、といった焦りから余計に眠れなくなることです。また、眠れないからと就寝時間がどんどん遅くなり、起床時間もどんどん遅くなるパターンも多く見受けます。
大切なのは、眠るのが遅くなっても起床時間はなるべく一定にすること、何時間眠らなくてはいけないといった固定観念はもたず眠くなったら寝る、眠くならなければ無理しない、ということです。朝起きて日の光を浴び、朝食をとり目をさますことが重要です。
2、薬物療法
非薬物療法でも改善せず、日常生活に支障をきたす場合や、睡眠をとることで病状が改善する場合などに薬物を用います。
睡眠障害の種類によって用いる薬物が違ってきますので、詳しくは医師にご相談ください。漫然と薬を続けることは避けたほうが良いので、原因がある場合にはその原因を取り除くことが大切だということはお忘れにならないでください。
以上、今回は睡眠障害について簡単にコメントしました。
ポイントは、睡眠で悩んでいる人はかなり多く、うつ病のサインである可能性があること、睡眠が足りないと様々な体調不良をきたすことです。
心当たりのある方は医師にご相談されることをお勧めします。