■診療内容■



【保険診療内容】

1.一般診療
 風邪や腹痛、下痢、頭痛といった日常の疾患対応はもちろん糖尿病や高血圧、高脂血症などの生活習慣病の治療ならびに指導を始め、花粉症などのアレルギー疾患、ピロリ菌の除菌を含めた十二指腸潰瘍や慢性肝炎、喘息、骨粗鬆症などといった慢性疾患の治療・管理を行います。
 また、産業医として企業におけるメンタルヘルスケアに長年携わった経験をいかし、睡眠障害や働く人のメンタルケアにも力をいれています。

2.可能な検査
 血液・尿検査に関しては殆どすべての検査が可能です。
(アレルギー検査や骨粗鬆症、肝炎ウイルス検査、風疹抗体検査など) 尿検査および血糖値はその場ですぐ結果をお知らせできます。
その他クリニックには以下の検査設備があります。
・心電図
・24時間心電計
・24時間血圧計
・レントゲン撮影

3.在宅診療
 在宅で診療をお受けになることを希望される患者さんには訪問診療・看護を行っております。他の医療機関から退院されてきた方の管理も行います。
 介護認定に必要な主治医意見書の作成もいたしますし、介護の患者さんについては、ご家族・ケアマネージャー・介護担当者・看護師とともに望まれる最適な介護を提供できるよう努めております。

【健康診断】 予約性  →参考
  区の健康診断はじめ企業の定期健康診断・雇いいれ時健診・海外出張前健診などにも対応しております。
 大腸癌や乳がんの一次検査対応医療機関としても登録しております。
(健康診断で可能な検査項目)
・身体測定(身長・体重・体脂肪)
・視力、色覚
・聴力(オージオメーターによる1000Hz、4000Hz)
・血圧
・尿、血液検査(法定項目以外もオプションで可)
・心電図
・胸部レントゲン
・便潜血検査(大腸癌検診)
・ツベルクリン反応
・乳房触診・直腸診

【予防注射】 予約性  →参考
 インフルエンザ予防注射については港区の指定医療機関となっています。
 その他任意の予防注射(おたふく、風疹、B型肝炎、破傷風、肺炎球菌など)についても抗体検査を含め対応いたします。

【その他】
 ニンニク注射も行っております






健康診断結果の見方

皆さんがお受けになった健康診断の結果について肥満を中心にコメントをつけますので参考にしてください。

【肥満度(BMI)について】
 肥満の程度を判断するのにはBMI(body mass index)(日本語では体格指数)が広く用いられます。この数字は体重(kg)を身長(m)の2乗で割ることで求められますが、日本人の場合男女ともにこの値が22に近いほど有病率が少ないことから、病気になりにくい理想的なBMI値22を基準に肥満度を判定します。
従って理想体重は身長(m)の2乗にこの22を掛けることで算定されます。
例えば身長が170cmの方の理想体重は、1.7x1.7x22=63.6kgとなります。BMI値が25以上以上になると有意に糖尿病や高血圧、高脂血症などを発症することから、25以上を肥満と判断するようになりました。

【日本の肥満人口は?】
 日本におけるBMI25以上の人口は、男性で1300万、女性では1000万人と推定されています。 年齢でみると男性は30代〜40代に肥満が多く、50代以降は減っていく傾向にありますが、女性は更年期を境とした40代〜50代に肥満のピークがあります。

【肥満の功罪】
 肥満は糖尿病や高血圧、高脂血症などの生活習慣病の温床となることが知られていますし、反対にこれらの疾患は肥満を改善することでかなり良くなります。
例えば高血圧。最近肥満の原因となる脂肪細胞から、血圧を上げる物質が出されていることもわかってきました。肥満で高血圧を合併する割合は男性の約58%、女性の約53%にもなります。
 また、脂肪細胞は血糖値を下げるインスリンというホルモンの働きを抑えてしまうため肥満があるとインスリンが沢山でていても血糖が下がらず、糖尿病になりやすいこともよく知られています。
最近では睡眠時無呼吸との関連や、一部の癌(食道・胃・前立腺・乳・子宮・卵巣など)でBMI値の増加に伴い死亡率も増加することが確かめられています。
健康診断で何もひっかからないからと放っておくと、何年後かにかなりの確立でやれ血圧が高いだのコレステロールが高いだの、痛風だの糖尿病だのといった現象が顔をだしてきます。今大丈夫な人も何年後かのために日頃から肥満を改善するよう心がけてください。

【減量の目標は標準体重?】
 高血圧や糖尿病などの治療には必ずしも標準体重まで減量をする必要はないとされています。実際にはその人の現在の体重の5%を3〜6ヶ月くらいかけて落とすことで、かなり効果が認められます。例えば90kgの人でも1ヶ月に1kg減量するだけで治療効果はてきめんなのです。

【1日に必要な適正摂取カロリーの目安は?】
 皆さんのようなデスクワークの場合、適切な摂取カロリーは標準体重に25〜30カロリーをかけた値になります。例えば標準体重が60kgの場合は約1800カロリーとなります。肉体労働の場合は約35カロリーをかけた値となります。

【1kgの減らし方】
 脂肪組織1kgは約7000kcalです。ですから一ヶ月に7000kcal、1日約230カロリー分だけ消費エネルギーより摂取エネルギーを減らせば1ヶ月1kgの減量は可能なのです。1日にご飯1杯半くらいを毎日減らせば余裕で達成できます。それに運動などを加えて消費エネルギーを増やせばさらに減量は進みます。

今回は肥満以外の項目については簡単に触れるだけにさせていただきます。

コレステロール
 血液中のコレステロールは動脈硬化の原因となることが知られています。
 コレステロールが高いと心筋梗塞や脳卒中になりやすいため高い場合は食生活の改善を含めた治療が必要となります。正常値は男女とも220mg/dl以下で、250以上の場合は治療をお勧めします。

中性脂肪
 アルコールや脂肪、カロリーの取りすぎなどで血液中に増えてくる脂肪です。
 一般的に女性より男性のほうが高い値をとりやすく、動脈硬化や心疾患、膵炎などの危険因子とされています。高い場合はアルコールや食事を見直す必要があります。
 正常値は男女とも150mg/dl以下ですが、300〜400以上が続く場合は治療をお勧めします。

尿酸
 尿酸値が高いと痛風の原因となります。
 私はまだ経験が無いのですが、痛風の発作は読んで字のごとく、風が吹いても痛いのだそうです。
 正常値は男女とも7以下ですが、ホルモンの関係から女性では尿酸値はあがりにくく、皆さんの結果でも尿酸が正常値を超えているのは男性が殆どです。
 尿酸を上げる要因としては肥満や食生活が大きなウエイトを占めていますが、アルコール、特にプリン体(体内で尿酸を生成する)を多く含むビールは痛風によくありません。尿酸値8以上の状態が続く場合は痛風を防ぐためにも治療をお勧めします。

アルコールの種類別プリン体含有量 mg/100ml

ビール 4.35〜6.86
地ビール 6.78〜16.64
発泡酒 2.83〜3.82
日本酒 1.21
ワイン 0.39
ブランデー 0.12
焼酎 0.03

 プリン体の比較では地ビールがかなり多く、焼酎が少ないことがわかりますが、アルコール自体に尿酸の排泄を阻害し尿酸値を上げる作用があるので、お酒は種類を問わずほどほどがよろしいようです。適正なアルコール量は1日20〜30g(日本酒1合、ビール500ml、ワイン2杯程度)とされています。

γGTP
 GOT、GPTと共に肝機能の目安となります。正常値は男女ともおおむね40以下です。脂肪肝ではこの値が100〜300IU/l程度まで上昇しますが、アルコール性肝炎の場合は500前後あるいはそれ以上になります。
 アルコール性の場合は禁酒後2週間で数値は1/2程度までさがります、禁酒によっても数値が下がらない場合はそれ以外の原因があるので注意が必要です。
 目安としては、γGTPが100以上の場合はアルコールを含めた食生活の改善が必要です。

血圧
 正常値は男女とも120/80以下です。
 140/90以上は治療の対象となります、特に160/100以上は要注意です。
 過重な労働や深夜勤務、ストレスなどは血圧の上昇を来たす一因となります。
 肥満が血圧をあげることは肥満の項で説明しましたが、減量や塩分制限・運動・十分な休養などは血圧を下げる効果が確かめられています。
 自殺以外の過労死の原因は殆ど血圧が関連しています。過労死から身を守るには過重な労働時間を減らすことももちろん大切ですが、必要な場合にはきちんと治療を受けることが最優先です。






【予防注射が受けられない場合】
  • 妊娠中
  • 発熱および急性期疾患に罹患中
  • ウイルス疾患(麻疹・水痘・風疹・流行性耳下腺炎・手足口病など)に罹患し治癒後4週間に至っていない場合
  • 生ワクチン(麻疹・水痘・風疹・ポリオ・流行性耳下腺炎など)接種後4週間以内。
  • 不活化ワクチン(インフルエンザ・日本脳炎・二、三種混合・肝炎など)接種後1週間以内
  • 家族が以下のウイルス性疾患に罹患した場合はそれぞれ期間を設けて接種する
     麻疹→10日
     手足口病・伝染性単核球症→14日
     風疹・水痘・流行性耳下腺炎→21日

補足)
  • 妊娠中に生ワクチンを接種すると、母体内でウイルスが増殖し、胎児感染や胎児奇形の可能性があるため妊娠中は生ワクチンは禁忌
  • インフルエンザや破傷風トキソイドなどの不活化ワクチンは体内での増殖はないが接種時のアレルギー反応で流産を起こす可能性もあるのでやらない場合が多い。
    不活化ワクチンによる胎児奇形の心配はない。
  • アメリカなどではむしろ妊娠中期以降、積極的にインフルエンザワクチン接種を勧めている。

【妊娠時の風疹検査】
 現在日本では妊娠判明時に風疹抗体をチェックするが、妊娠初期〜5ヶ月くらいまでの間に母体が風疹に感染すると、胎児に白内障や先天性心疾患、難聴などといった先天性風疹症候群を発症する可能性があるので、理想的には妊娠前に風疹の抗体検査を受けることが望ましい。
 抗体が陽性であれば、新たに風疹に感染する心配は無いのでワクチン接種は不要であるが、抗体が陰性の場合はワクチンを接種する。
 抗体がすでに出来ている場合は再度感染しても風疹ウイルスは体内で増殖しないため、抗体価の上昇は認めるが先天性風疹症候群の心配はない。

【風疹抗体検査の意味】
IgM抗体(ELISA法)
この抗体は感染直後から上昇し、次第に減少していき数ヶ月陽性が持続する。

IgG抗体(HI法)
感染後約1ヶ月後より陽性となり、数ヶ月間〜数年(10年前後)抗体価の高い状態が続く。
従って、IgM抗体が陰性でIgG抗体が陽性の場合は、過去に感染あるいは予防接種を受けたことを示し、反対にIgM抗体が陽性でIgG抗体が陰性の場合は、最近感染したことを示す